『自殺の名所』
山本握微
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「一人で悩まず相談しよう」「家族のことを考えて!」「死ぬぐらいなら生きて」進むたびに、そんな看板があらわれる。私は今、有名な自殺の名所に向かっている。なんでも美しい岬で、そこから海へ飛び降りると死体があがらないという話だ。
私の自殺の理由は、語るほどのものではない。事業に失敗、女に去られ、借金を抱え、恨まれ、といった具合だ。死んで迷惑をかける人がいないのが唯一の救いだ。
そろそろ岬へ出るな。そう思ったとき、また看板を見つけた。
「これで最後です。とにかく相談所へ電話を」
看板の前には電話まであった。さて……

1.最後の最後なら、電話ぐらい試してみよう
2.いまさら、看板ぐらいに心を動かされはしない

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